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absolute zero

DRRR!!、タイバニに首っ丈な小説ブログ

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勢いだけで増やした結果がこれだよ!

やってしまった感が否めませんが、ジャンル増えました。
本当に…やっちまったんだぜ!(動揺中)
WoLとフリオしか出てきません。一人ずつ召喚されてたらーという話です。
しょーもないです。











「……」
「……」

突然知らない場所に飛ばされ、自分を喚んだらしい女神から理由と大まかな状況
説明を受け、訳のわからないままに無駄にキラキラした敵(自分模造)に襲われ、
取り敢えず反撃しようとしたら恐らく仲間なのであろう明らかに初対面の人にいつ
の間にか助けられていた。

そして今、フリオニールはその仲間(仮)と向かい合ったまま無言の状態が続いて
いた。

取り敢えず仲間(仮)がいたことに安堵したものの、その恐らく仲間の人は助けてく
れて際に「怪我はないか」とは聞いてくれたが、フリオニールがありません、と告げ
たその後からは無言のままだった。居心地が悪い事この上ない。
意を決したフリオニールは自分から何かキッカケを得るべく口を開いた。

「その…初めまして」
「あぁ」
「先程は、危ない所を助けて頂いて有難う御座いました」
「困っている者がいたら助けるのは当然の努めだ」
「俺は、フリオニールと言います」
「そうか」
「これから宜しくお願いします」
「此方こそ宜しく頼む」
「…えーっと…いい天気ですね
「そうだな」

会話が途切れた。

何かもう、泣き出したい気分になったフリオニールはこっそりと仲間(仮)を盗み見る。
長い角の付いた兜に鎧を着込んだ、まるで物語の中の騎士や戦士がそのまま形
になったような人だ。しかも、表情がさっきから全く変わらない。視線は此方を見て
いるようで、見ていないような気もした。何か、見えないものが見えてるみたいで少し
不気味だ

唯一の救いは、相手がこの無言を全く気にしていなさそうなことくらいか。表情が変
わらないので断定は出来ないが…
しかし、このまま無言状態が続いていいものだろうか。否、よくはない!(打ち消し)
現に、まだ相手の名前すら聞いていない。此方は名乗りはしたのだが。
フリオニールは密かに拳を握り締め、再び彼に話掛けた。
目標は、「せめて名前を聞こう」!自分でも情けない目標だと思うが、目標は、実際
に到達出来るものを設定するべきだと昔、誰かも言っていた!(混乱中)

「少し、質問をしても宜しいでしょうか」
「構わないが?」

あっさりと求めていた言葉が返ってきた事に思わず心の中でガッツポーズ。
先ずは第一関門突破と言ったところか。

「カオスの戦士を倒し、平和を取り戻すというのは理解出来たのですが、現在のコス
モスの戦士の人数というのは…」
二人だ

頭が痛くなるような数字が聞こえた。
思わず、俺、耳までおかしくなったんじゃ、とか自問自答を繰り広げたがすぐに止めた。

「……はい?
「現在は、私と君の二人だけだ」
「じゃあ、今までは…」
私が単独で敵を迎撃していた
「……そーですか…」

痛くなるような、ではなく実際に頭が痛くなってきた。フリオニールは目眩に襲われて
足元をふらつかせた。
女神様、そんな殺生な。幾らなんでも酷すぎます。一人で敵陣はキツすぎます。
そんな様子見て何か思い出したのか、彼はそういえば、と一言。

「何でも、選考基準が高いらしく…中々基準を満たす者がいないとコスモスが呟いて
いたのを聞いた事がある」

強さで決めるのだったらすぐにでも集まりそうだというのに、基準に満たないというこ
とは別の基準があるのだろうか。
選考基準の詳しい内容に謎は尽きないが、考えた所で解る筈もない。それこそ、神
のみぞ知る、というやつだ。

「…その時にふざけるな、とか思わなかったんですか?」
「私は、コスモスの決定に従うだけだ」

何て心の広い人だ。もう何か、別次元の人のような気がしてきた。色んな意味で。
フリオニールが半ば感心しかけた時、ふと違う疑問が頭を過る。
この人は何時から一人で戦い続けていたのだろう。もしかしたら、最近喚ばれたの
かもしれないし。出来ればそう思いたいし。

「あの、因みに…貴方はどれくらい前にこっちに来たんです?」
「どのくらい…」

フリオニールの質問に眉を寄せて思案するような仕草を見せた仲間(仮)は、暫く
そのまま考え込んでから顔を上げた。

「残念ながら、覚えていない」

また、とんでもない答えが返ってきた。

「気が付いたらこの世界にいて、戦っていた。昔の記憶も、自らの事も何も分からない」
「じゃ、じゃあ…貴方の名前は…?」
「勿論、思い出せない」

目標、まさかの達成ならず。
じゃあ何だ、自分が誰かも判らずに戦い続けていたのか、とかもっとリアクションす
べきだ、とか言いたいことは沢山あったが、言葉は全て飲み込んだ。何となく、言っ
た所でどうなる、という気がしたからだ。あと、自分も名前以外の記憶が若干曖昧に
なっている事にも気付いたからでもある。
そんなフリオニールの心内など露知らず、「しかし、仲間がいるのに名前が無いのは
流石に不便だろうか」等という呟きが聞こえる。彼はやはり暫く考え込んでから顔を上
げた。

「コスモスにはウォーリア・オブ・ライトと呼ばれ…もういっそこの名称でいいのでは、と
考えたのだが」

ウォーリア・オブ・ライト=光の戦士
確かに妙に光り輝いて見える人だなぁとか思わないでもなかったけれど。それなのにな
んて、安直な。しかも『もういっそ』で決めていいのか。
突っ込みたいが、いちいち気にしていたら追い付かないし、話も進まない。
本人がそれでいいと言うのだから他人がとやかく言った所で意味もないだろう。フリオニ
ールは無理矢理自らを納得させた。

「…ではウォーリア・オブ・ライト」
「なんだ」
「貴方は自分自身の事も何もかも判らないままで戦うのは、不安ではないのですか?」

その質問を聞いたウォーリア・オブ・ライトはふっと憂いを帯びた瞳で遠くの空を見上げた。
だから、一体何を見ているんだ、とは思ったがフリオニールは空気を読んで再び言葉を
飲み込んだ。

「不安が無いと言えば嘘になる。人とは常に不安を抱える生き物だからな」
「……」
「しかし、何も持たず、不安を抱えた私に、コスモスは世界の為に力を貸して欲しいと言っ
てくれた。私はそれに応えたい」

何故だろう、段々とウォーリア・オブ・ライトから後光が差し始めていた。


「私が戦うことで世界に平和が訪れるのならば、私は戦い続けよう。だが私一人の力な
どたかが知れている――」

一旦言葉を切ったウォーリアは空の彼方へと向けていた視線を戻し、初めてフリオニー
ルをしっかりと見据える。先程までの憂いを帯びた瞳ではなく、強い意志を宿した瞳で、
だった。
更に、吸い込まれそうな青の瞳を見つめ返したフリオニールに対して今まで決して崩れ
なかった表情を柔らかく崩したのだ。
どういう仕組みか知らないが、後光は益々増した。

「フリオニール、世界の平和を取り戻す為に私と共に戦ってはくれないか?」

きらきら輝く微笑と共に、ウォーリアは右手を差し出した。後光はもう、先程から絶賛
増量中
だ。寧ろ、彼自身が発行しているような気もする。
そんな様子を見て、フリオニールは心から感動していた。
自身の事よりも世界を優先させたその姿勢。その言動。段々、彼が御仏や神仏のよう
に見えてきた。
会話が続かなくて取っ付きにくそうとか、変わった人っぽいとか思ってしまった過去の
自分を殴りたい。もう、何て言うか人としての次元が違うどころか、超越している
ように思えた。見えてきた所か、この人は現人神の一種に違いない。
えらくフィルターの掛かった考え方をしながら、差し出された右手をフリオニールは勢
い良く握った。

「ウォーリア・オブ・ライト…俺は一生貴方に付いてゆきます!!
「そうか、改めて宜しく頼む」







その後。

「ウォーリアってあまり喋んないッスよねー」
「そんな事はないぞ、ティーダ!あの方は素晴らしい御言葉を俺達に授けてくれるじゃ
ないか!」
「ま、まぁ…確かに威厳のある人だけど…のばら、なんか怖いッス

あの時から、フリオニールがウォーリア・オブ・ライトの行動、言動に対して非を唱える
事は決して無く、寧ろ崇め讃え始めたらしい。



09.3.10

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