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absolute zero

DRRR!!、タイバニに首っ丈な小説ブログ

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まだ人数が足りない件について

日本国憲法の授業で何言ってんだかさっぱりでした。
どうも、卯月です。
なので小説打ってました。授業聞けよ。
久しぶりにディシディアです。やはりギャグにしかなりませんでした。
取り合えず589とティナが出せました。女の子は可愛いが、私の書く話じゃ出現度は極端に低いですね。
次は…前の話でもちらちらとしか出ていないティーダと…セシルとクラウドですか。あとたまねぎ!
カオスまで出すと収拾つかなくなりそうなのでもうこのまま出ない気がします。


それにしても、フリオニールはキャラ的に使い易すぎる…
このまま出続けて皆勤賞になったらどうしよう。

 









比較的安全と言える場所に構えた野営地で一人の男が黙々と布と向き合っていた。

「――ティーダ、直ったぞ」

ほら、と渡された衣服を礼を述べて受け取ったティーダはそれをまじまじと見つめて
から感嘆の息を吐き出した。
うっかり作った鉤裂きは勿論、取れ掛けていたボタンや若干の解れ等が全て直され
ている。しかも縫い目が無駄に綺麗だ。
これら全てを十数分で直してしまったフリオニールは使い終わった裁縫針を小さな
箱に仕舞っている所だ。ちらりと覗いたのだが、箱の中にはお祖母ちゃんとかが持っ
てそうな
糸切り鋏やら長さの違う針やらが大量に入っている。

「うわぁ、凄いッスね!…でも、普通の裁縫でこんなに針使うっけ…?」
「あぁ、一応針でだって戦えるかなと思って集めてみたんだが」
あんた、裁縫針で何するつもりッスか

あまりの針の多さとどうにも物騒なフリオニールの考え方にぞっとしたティーダは思
わずツッコミを入れてしまったが、当のフリオニールはきょとんとした顔で右手で針を
持つような仕草をした。そのまま手を前に突き出す動作をしながら口を開いた。

「何って…針だってこう…目を一突きすればかなりのダメージを与えられ
リアルに答えるなよ、のばら
「訊いたのはティーダじゃないか」
確かにそうだけど、そんなコワイ話聞きたくないッス!

端から見ると仲が良いようにも見えるやり取りを繰り広げていたティーダとフリオニー
ルはこの出来事が後に惨事を引き起こす事にとは夢にも思っていなかった。















「裁縫を教えて欲しい?」

脱水済みの洗濯物を干していたフリオニールは思わず手を止めて、掛けられた言葉
を反復した。
フリオニールの目の前で小さく頷いたティナは、手に持っていた布を静かに広げて見
せた。

「あのね、いつも着てたマントが破けちゃって…」

若干何時もと雰囲気が違うとは感じたがマントが無かったのか、と納得したフリオニー
ルはティナが広げたマントに視線を向けた。確かに放っておくには悲惨な事になって
いる為、直した方がいいだろうとは思う。だが、コスモスメンバーの衣類の洗濯から繕
い物、全てを担っているフリオニールとしては、他のメンバーと同じ様に言えば繕うの
に、何故わざわざ習いたいのかが不思議だった。
それを聞くと、

「私、前から色々出来るようになりたいと思ってて…それに、いつもフリオニールに任
せっぱなしだったでしょう?私に手伝える事があるなら何でもいいからしたかったの」

と、ティナは眩しいくらいの笑顔を見せながら答えてくれた。
仲間想いの健気な言葉にフリオニールはいたく感動した。それでなくても女性に接す
る機会の少ないフリオニールが可愛い女性に花が咲くみたいな笑顔を見せられて断
れる筈もなかった。ティナが清楚系だから良かったものの、相手が露出の高いセク
シー系だったなら今頃卒倒している。
とにかく、感極まったフリオニールは洗濯物を干すのも忘れてティナの手を握った。

「俺なんかで良かったら協力するよ…!」
「ありがとう、フリオニール!」

ティナは嬉しそうにお礼を告げてから「用意してくるから待ってて」と言ってその場を離
れていった。


フリオニールが勢いで繋いだ手を眺めて赤面していたら、遠くからプチメテオが飛んで
来た。
結構容赦が無かった。












数十分後。
晴れた空に白い雲。襲ってくるイミテーションもいない。
そんな絶好な環境の中、『フリオニールの裁縫教室』が開校された。
の、だが。

「フリオニール、よろしくお願いします」
「せんせー、ヨロシクな!」
「センセー、お手柔らかにな!」
「………何で俺まで…」

何だか当初の人数よりも三人程増えていた。

「バッツ、ジタン、スコール…何しに来たんだおまえたち」
「「へ?」」

フリオニールの問いに、何で聞かれたのか解らないみたいな表情をした賑やか二人
組が同時に首を傾げた。この息の合い方、戦闘で発揮されるだけで充分だ。
というか、二人きりとか考えた自分も嫌になるが、理解していて邪魔しに来たに決まって
いるこの二人。この短時間に情報を掴む能力は評価するが、個人的な意見を言うのな
ら『死ねばいいのに』だろうか。
そんな物騒な事を考えたフリオニールの心中など露知らず、バッツとジタンは恨めしい
程の笑顔を向けて口を開いた。

「いやー、ティナがフリオに裁縫教わるってゆーからさ、面白そうじゃん!
「ティナがフリオと二人きりだって言ってな!うらやまs…否、俺も手伝おうと思って」
「……無理矢理、な…」

曇りの無い眼差しの隣で思わず本年が出した男が一人。その更に隣では死んだ目を
した男が一人いた。三人の温度差が激しすぎる。
長く溜め息をついたフリオニールは開き直ったのか、集まってしまった四人全員に向き
合ってからどかん、と用意してきた荷物を置く。目の前で数人が顔を引きつらせた。
フリオニールが置いたのは衣服の山だったが、どれも見覚えがありすぎる。

「今回の教材は予想出来ている通り、これ全部だ」
「「全部!?」」
「わぁ、服がたくさん…」
「……」

無理だって、とかキビシイ、とか不満を溢し出した二名を見たフリオニールはにこりと微笑み、

文句があるなら服を着なきゃいいんじゃないか?

と宣った。

「…ヤリマス」
「…スイマセン」
「はい、じゃあ渡した分だけ縫うことー」

衣服の山をそれぞれ分けて四人の前に振り分け、一緒に裁縫針と糸も渡した。
渡された物を目の前にして、バッツとジタンは唖然とした。スコール数枚、ティナ一枚、
ジタンは山の三分の一、バッツは大半を占めている。既にスタートの段階で激しく差
が出来ていた。


「ちょ、フリオニール!これは酷くないか!?」
「バッツ…山をよく見てみろ」

慌てて文句を告げようとしたバッツは、そう言われて山を見る。

それは全部お前のだぞ
(全部破いたのか!?)

あー、とバッツが呻く。

「確かに全部俺のだ!」

じゃあしょうがない、と納得したバッツは大人しく山の前に座り込んだ。
そんだけ破くような事をしていたのか、そもそもそんなに普段着の替えを持っていたの
か等、周りの疑問は解決されなかった。
仕方無く自分の服に手を伸ばし始めた三人を見て、フリオニールは満足そうに頷いた。
三人が来た所為で目的を見失いかけたが、ようやく始められる事が出来る、と胸を撫で
下ろしてティナに視線をやった。
ティナが手に持った裁ち切り鋏で例の布を裁断しようとしていた。

ティナ、ストップ!!!
「え?」

慌てて制止をかけると、裁ち切る寸前のところで止まってくれた。本当に危なかった。
だが、このままいきなり彼女のマントを縫わせるのは荷が重すぎるようだ。裁縫初心者
だと解っていたのに気配りが足りなかった。
練習が必要だと思ったフリオニールは、鉤裂きを作ってしまって後で繕おうと思ってい
た自分のインナーをティナに渡した。

「いきなり本番も難しいだろうから、まずはこれで練習してみよう」
「うん、わかった」

素直に頷いたティナに軽くやり方のコツを教えると、少し危なっかしい手つきだがちゃん
と縫い始めたのでもう大丈夫だな、とそっとその場を離れた。しっかり縫えているが、ゆっ
くりとした速度だったので暫く掛かるだろう。
フリオニールはその他の三人が急に心配になって様子を見に行く事にした。

「って…なんだ」

三人共、迷いの無い手つきで黙々と針を動かしている。心配する必要も無かった。

「三人共、裁縫出来るんじゃないか」
「まぁね。一応旅芸人の一座にいたから、衣装なんかも自分たちで作ったりしてて…っと!」

綺麗な縫い目で最後の一枚を完成させたジタンは糸を結んで歯で千切る。手慣れた作
業の様子を見てフリオニールは感心した。

「そんなに出来るなら自分でやったらいいんじゃ」
「オレがやるよりフリオニールがやった方が綺麗なんだよ…出来るだけ長持ちさせたいしさ」

そんな軽口を叩いたジタンは隣にいたスコールを覗き込んだ。
少し歪だが、きちんと縫えてはいる。ただ、何となくもっと几帳面に縫い進めるイメージが
あったので意外ではあったが。不器用だったとは知らなかった。
じっと見詰めていると、居心地が悪かったのか、機嫌の悪そうな顔で思いっきり睨まれた。
スコールの眉間に皺が寄っている。

「……何だ」
「いや、別に…」

何か文句があるのかオーラを肌で感じたジタンは、これ以上見ていると益々機嫌が悪く
なると判断してスコールから離れた。フリオニールもそれに習って離れる事にした。
後は大量の衣服を抱えていたバッツだが、衣服の山に阻まれて手元が見えない状態に
なっている。ただ、表情は物凄く楽しそうだった。

「出来たー!」

どうやら最後のマントの補修が終わったらしく、晴れやかな笑みでそのマントを掲げてい
た。
あの山をこの短時間で縫えてしまうあたり、手先が器用なのだなと思う。自分でやればい
いのに。
そんな事を考えた二人がバッツの掲げたマントを見て、固まってしまった。

マントのど真ん中に、物凄く目立つチョコボのアップリケが縫い付けられていた。
しかも、チョコボのアップリケが無駄に出来が良い。


「見てくれよジタン、フリオニール!」
「バッツ…何だそれ」
ボコ!すっげーイカスだろ!」
「…手作りなのか?」
勿論!

恐るべし、バッツ。

「これでカオスの奴らに会ったら羨ましがられるんじゃねぇ!?」

キラキラした瞳を向けてくるバッツと目が合わないように然り気無く視線を逸らしたフリオ
ニールとジタンはそのまま「そうだな、」とだけ返事を返した。カオス陣から羨ましがれるど
ころか、憐れみの目で見られそうだ。正直、仲間であっても一緒に並んで歩きたくな
いと思ってしまった。



ともかく、ノルマを終えた三人がフリオニールに裁縫針を返していると、布を握り締めた
ティナがフリオニールの所に走り寄ってきた。

「ティナ、大丈夫だったか?」
「うん、私にも出来たよ!」

嬉しそうに手に握った布を差し出したティナに釣られてフリオニールも笑顔を浮かべたが、
その手にある物を見た瞬間、笑顔が凍り付いた。三人も横から覗き込むようにティナの手
元を見た。

ティナの手には、とてもよく出来た巾着袋が握られていた。

(((なにぃぃぃぃ!!?)))

心で叫びを上げた三人だったが、たった一人、バッツだけは動揺することもなく歓声を上
げている。

「ちょっと失敗しちゃったんだけど…どうかな?」
「すっげーな、ティナ!上手いじゃんか!」
「ありがとう、バッツ」

元インナーだった物とはしゃぐ二人を交互に見た三人は何処から突っ込むべきかを真剣
に考える羽目になった。
結局、ティナのマントはフリオニールが頼み込んで繕わせてもらったのだった。




言わずもがな、巾着袋と化したインナーはどうやっても元には戻らなかった。




09.6.5
 

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