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absolute zero

DRRR!!、タイバニに首っ丈な小説ブログ

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お題を消化する事にこだわり過ぎて何がなんだか

勢いで借りてきたものの、今までお題なんて消化しきったことが無い人には7でも多いくらいです。
前サイトではうっかり100のお題なんか借りてきちゃったから大変な事に。

書いてみたものの何が書きたかったか途中で忘れた話を投下してみます。しかも短い。
まぁ、貧乏性なんですな、私は…




午前9時。
今日は快晴、絶好の洗濯日和。俺は運んできた洗濯カゴを縁側に置いた。
脱水まで終わっている洗濯物を干している途中で、今日は布団も干してしまお
うかなと思い立つ。折角天気もいいのだ、寧ろ干さないと勿体ない気もする。
先に洗濯物干してからマスターの部屋まで取りに行こうと決めて、洗濯物の皺
を叩いて伸ばした。

 









干し終わってからマスターの部屋まで行くと、敷き布団の上に芋虫がいた。
…実際に居たわけではないが、そう表現した方が相応しい光景だった。
どう眠ればこんな器用に細く丸くなって眠れるのだろう。ある意味感心した
くなった。
一つ溜息をつくと、丸くなっているマスターを起こそうと声を掛けた。


「マスター、起きてください」
「……ぅー」
「うー、じゃありません。起きなさいマスター」


ごろり、とマスターが寝返りを打ったお陰で芋虫状態では無くなったが、マス
ターは未だ夢の中だ。お腹が空いているのか、口が無意識に動いている。まる
で子供みたいな行動をする人だ。
こうして見ると、元から童顔だが益々幼く見える。マスターの体を揺さぶりなが
らそんな事を思ったが、叩かれると結構痛いので勿論本人には言わないでお
こう。


「いい加減にしないと叩いて起こしますよ?」
「うー…?…あれー、おはようかいとー…」


漸く少し目が覚めたのか、間延びした声が俺に向けられた。まだうとうととしてい
て、目蓋が閉じ掛けている。このまま放っておくと二度寝に突入してしまうだろう。
…眠そうな様子は可愛いのだが。
布団も干さなければいけないのでこのまま寝かせてあげる訳にはいかず、先程
より少し大きめに声を張り上げた。


「ほらマスター、二度寝しないで起きましょう」
「いまなんじー…?」
「9時過ぎですよ」


半分覚醒しかけていたが、9時だと認識した途端に再び布団を被って丸まってし
まった。慌てて掛け布団に手を掛けてマスターの顔が見えるように捲る。
しかし余程眠かったのか、既にマスターは寝息を立てている。世の中には3秒で
眠れる人がいるとは聞いていたが、マスターがそうだったとは知らなかった。


「じゃなくて!起きてくださいマスター!」
「うるさいー…12時くらいまでねかせろ…」
「ひ、昼まで寝る気ですか!?折角の休みなのに!」
「うん、おやすみー…」


窓から射す麗らかな日差しがいけないのか、もう完璧に眠る態勢になっている。
揺さ振りながら起こそうと試みたが、全く会話が噛み合わなかった。
確かに仕事で疲れているのかもしれないし昨日も歌わせて貰ったけれど、昨日は
土曜日で午前出勤だった。一緒に昼寝もしたし早めに就寝したのにどれだけ眠る
気なのか、この人は!一日15時間睡眠でもする気だろうか。
そちらが人の話を聞く気が無いならこちらも遠慮は要らない。普通に起こすという
コンセプトは捨てていいと見た。
頭でそう結論づけた俺は、悠々と眠り続けるマスターの包まっている布団の端を両
手で掴む。そしてそのまま一気に剥ぎ取った。
勢いでマスターがごろごろと転がったのを見計らって、掛け布団だけでなく敷き布団
も一緒に取り上げる。…ちょっと楽しいかもしれない。


「ふぎゃあっ!!」


布団を持ち上げた時、かなりの勢いで転がっていたマスターが顔面から壁に激突し
て悲鳴を上げた。そういえば止めてあげるのをすっかり忘れていた。
鼻が、と涙目で起き上がったマスターに俺は笑顔を向ける。


「おそようございます、マスター」
「か、かひと…っおま…っ!」


酷い、と鼻を押さえたまま小さく呻かれたが、酷いのはそっちの方だと言いたい。
空が曇ったらどうするつもりだ。布団を干して最終的に得をするのはマスターだという
のに。
マスターはじーっと俺を見つめていたが、返す気がないのが分かったらしく、諦めて
のろのろと起きる準備をし出した。


「着替えたら、居間に朝食ありますから食べて下さい。多分もう冷めてますけど」
「…つくづく俺に容赦無いなお前…」
「気のせいでしょう?」


少しは敬え、とぶつぶつ呟くマスターがこちらを睨んだが、笑顔を返すと怯んだのか
そそくさと居間の方まで逃げるように走っていく。
一応敬っているつもりなのだが。敬っていなかったら敬語なんて使わないだろう。
今度からは少し優しく接してみようかな、と奪った布団を運びながら思った。




08.3.24

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