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absolute zero

DRRR!!、タイバニに首っ丈な小説ブログ

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もう、何が何だか


何か、お久しぶりです、卯月です。
更新停滞状態が長く続いて申し訳有りませんでした。
が。
かといってスランプ期を抜けたわけでもなく。自分が何を書きたいのかがわからない…


キノ様のリクエスト『アイダンで甘いの』というを達成するべく書いていたのですが…
最終回後ならウチのアイダンでも甘いの書けるんじゃね!?という安直な考えの下、プロットを立てて、


全然違う話になったけど\(^o^)/

とりあえずは甘いアイダン(当社比)になったかと思いますが…
キノさん、大変申し訳有りませんでした!
ご本人様に限り自由に持ち帰って下さって構いません!あと、苦情も受け付けますので…
「こんなの違う!」と思われたら、その、書き直します…








 

渾身の力で投げられたボールが壁を反射する。
その軌道を先読みしてボールを奪う。

今までしていた事と何も変わらないが、ただ一つ違うのはビッグフットに乗っていない事。

アイスマンの放ったボールが固い音を立ててゴールの縁から弾かれる。その絶好の機会を逃すまいと、
零れたボールに手を伸ばした。
まるで手に吸い付くかの様に納まったそれを、自身の身軽さを利用して身長よりも高い位置にある
ゴールへ勢い良く叩き付けた。

「――バスカーッシュ!」

小気味良い音を響かせてゴール中央を通過したボールが重力に従って地面へと落下する。
限界まで空気を内包したそれは、落下の衝撃でバウンドしながら壁際へと転がってしまった。
その様子を見て、ゴールポストから手を離して着地する。顔を上げると苦笑するアイスマンと
目が合ったので、誇らしげに笑い返してみた。

「今回は、オレの勝ちだな!」
「油断、しましたね…」

前回みたいに勝てると思ったのですが、と肩を竦めながらそんな事を呟くアイスマンに歩み寄る。
そう何度も負けるわけにはいかないだろ、と一言告げて、相変わらずの長身を見上げた。
畜生、自分の身長も最近全く変わっていないみたいだ。
他の仲間と比べてアイスマンとは頻繁に会っている方だが、それでも三週間振りになる。
嬉しそうに目を細めたアイスマンは更に距離を詰めると、嫌味なくらいにすらりと長い腕を
伸ばして此方の背中に手回してきた。

「って、オイ。何しやがんだアイスマン!」
「久し振りですね、ダン」
「おう…ちょ、ナチュラルにそのまま抱き寄せんな、離せっ!」
「いた、痛いです…!」

ばしん、と唯一自由な腕でアイスマンの背中を抗議するみたいに叩く。
いたい、と堪らなさそうに声を上げられたが、あまり強く叩いてはいない為か
腕の力は全く緩まる気配が無かった。抵抗してもびくともしない辺りに体格差を感じてしまい、
その事実に思わず目一杯暴れてしまいたい衝動に駆られた。
しかし、強く抱き締められている割には痛くはなく、まるで壊れ物でも扱うみたいに優しい。
これが普段は豪速球を人にぶつけてくる人物だなんて詐欺だ。
その妙な配慮に免じて暴れるのは勘弁してやると、突然抵抗が止んだ事を不思議に思ったらしい
アイスマンがしゃがみこんで此方を覗き込んできた。

「…どうか、しました?」

端整な顔が間近に迫る。
本当にコイツは顔はいいんだよな、なんて割とどうでも良いことを考えながら、
右手を抜けるように白いその頬にぺたりと当ててみた。突然の行動に驚いたのか、
アイスマンが身体を強張らせたのが回された腕から伝わってくる。
肌のひやりとした感触が存外気持ち良く、暫くそうしていたが、アイスマンが更に顔を近付けた事に気付いた。
これはマズイ。
そう直感的に感じて、何も考えずに頬に当てたままの右手を咄嗟に動かした。




びろん、とアイスマンの頬が横に伸びる。
新発見だったが、頬は存外よく伸びた。


「っ!?はに、するんれすか!」
「いや、つい…」

はらひへくらはい、と情けない声で訴えられ、顔を伸ばしていた右手を離す。
若干赤くなってしまった右頬を押さえたアイスマンは、情けない顔のまま此方を見遣った。
その視線の所為か罪悪感に苛まれ、だって、と口を尖らせながら弁解の言葉を小さく呟く。

「お前がいきなり近付いてくるから」
「ダンが先に触れてきたじゃないですか…」
「そもそも抱き着いたのはオメーだろ!」
「た、確かにそうですけど!」

暫くアイスマンと不毛な言い争いを続けたが、言い出せばキリがない。
それはどちらも重々承知しているからか、直ぐに二人で押し黙ってしまった。

「…まず抱き着いた所から駄目でした…?」
「へ?」

急にぽつりと沈んだ声で呟かれた言葉に思わず上擦った声が出た。
大の男が自分の行動を後悔して落ち込む様なんて見てて良いものではないのは確かだ。
と、いうか半ば疑問系な為、項垂れながらすがる様な瞳で此方を見ている。
まるで叱られた大型犬みたいで少し笑え、そして可哀想にもなってきた。
ふぅ、と溜息を落とすと、何かしら言うべく口を開いてみる。何を言えばいいのかは検討も付いていないが。
あー、とかうー、とか意味の無い呻き声を出し続けていたが、意を決して取り敢えず
思っている事を口に出してみることにした。羞恥で死ねそうだが、この際仕方がない。

「あのな、」
「はい?」
「…別のヤツだったら問答無用で抱き着いてきた段階に殴ってるから」

アイスマンは一瞬何を言われたのか解らなかったのか、キョトンとした顔が此方をじっと見詰めていたが、
急に勢いよく立ち上がった。あまりにも突然過ぎて思わずびくり、と肩を震わせてしまった。
激しく沈んでいた先程までとは打って変わって喜色満面、と言うに相応しい表情を浮かべられ、
何故だか此方が恥ずかしくなってくる。

「…っ、やっぱさっきのナシだ、ナシ!」
「え、そんな、酷いです!次からちゃんと申告しますから!」
「うるせー、帰る!」

恐らく赤く染まっているであろう顔を見せたくなくてアイスマンから距離を取ろうと走ったが、
あっさりと腕を掴まれてしまった。そのまま後ろに引っ張られ、再び腕の中へ逆戻りしてしまう。
あぁ、体格差が憎くて仕方がない。
何すんだ、と抗議してみたが、やはり離してくれる訳も無かった。


突然、アイスマンが「あ、」と小さく声を上げた。何事かと顔を上げれば、
少し思案するような素振りを見せたアイスマンが苦笑しながら口を開く。





「すみません、抱き締めても良いですか?」
「…遅ぇよ、ばーか」























「――あーんな事をしてるのにくっつかないなんて…はっきりして欲しいわ」
「……」
「ナヴィもそう思わない?」
「セラ…出歯亀は止しなさい」




09.10.24

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comment

はじめまして!!

  • sato 
  • 2009/11/02(月) 19:54
  • edit

アイダン小説素敵すぎます~~~☆

アニメが終わって寂しかったので、卯月さんの小説読めてすごく嬉しいです。

これからも応援しています!

うわぁぁぁ…!

  • 卯月 
  • 2009/11/12(木) 22:44
  • edit

初めまして、satoさん!
アイダン、と自分でも疑問に思う小説でしたが、暖かいお言葉を有難うございます!
こんな放置気味のサイトですが、宜しければこれからもお願いします…!ガクブル…

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