忍者ブログ

absolute zero

DRRR!!、タイバニに首っ丈な小説ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

お題そのに


原型、『クラスメイトが落とした鍵』
原型も何もそのまんまなんですけど…
怪レス放送再開は来週だよ!という喜びを表したくて書いた、後悔はしていない。
気分はショウアコだがどう考えても矢印です。


 
 




ショウくんは人とあまり関わろうとしないくせに妙に情報収集能力がある。
 

普段どれだけ素っ気なくとも性格に難があろうとも、顔が良ければ女子は
何だって話してしまうのだろうか。友達の一人を思い浮かべながらそんなことを漠然と考えた。
何でそんな事を思ったかと言えば、先程まで一緒に掃除のゴミ捨て当番をしていたからである。
焼却場まで向かう道程でごく普通の雑談をしていた筈なのに、気が付けばこの学校で有名な噂話に移行し、
あれよあれよという間に学校における七怪談の詳しい話を聞かされてしまった。
そういう話にならないよう気を付けていたが、ショウくん相手では無意味だったようだ。
どの学校でも語られる怪談話はこの学校にも勿論当たり前のように存在しているらしく、
更に言うなら七では数が足りないくらい噂が飛び交っていた、とあまり知りたくない事実を知ってしまった。
序に言うなら「早速帰りに確認しに行こう」と、これまた当たり前のように言われた。
今日は余計な事を言わずに帰ることにしようと思う。

入学当時からいた私よりも転校してまだ間もないショウくんの方が詳しいのは何だか妙な気分だが、
よく考えれば詳しくないのが普通だった。
最近頻度の増えた溜め息を吐きながら、空になったゴミ箱を教室に戻す。
焼却場まで一緒だったショウくんは職員室に清掃完了の報告に行っているので私一人だ。

割と時間が掛かった所為か、教室に残っている生徒は誰もいない。
シンと静まり返った教室は何だか少し怖い気もした。普段は何ともないのに。

早く出よう、と意味もなく呟きながら机の上に置いておいた鞄を手に取った。
その内ショウくんも戻ってくるだろうし、と其処まで考えてからふと隣の席を見ると、
既に鞄が無いことに気が付いた。これではきっと戻ってこない。
校舎入り口か校門前か。
どちらも向かってみて誰も居なかったら一人で帰ろうと思いながら踵を返すと突然、
足元でちゃら、と金属が擦れるような音がした。慌てて足を戻せば床には鈍く光る、
何処かの鍵が落ちている。
一体何処の鍵なのか。ひょい、と拾い上げて鍵にくっついていたプラスチックプレートを見ると、
そこには手書きの文字で『第二特活室』と書いてあった。
何でこんな所にこんな使わないような教室の鍵が落ちているのかと不思議に思ったが、
放っておく訳にもいかない。少し手間だが、職員室まで返しに行こうと教室を後にした。
 
 
そういえば、とはたと思って足を止めた。
 

つい先程、将に『第二特別活動室』が話題に出た気がするが、一体どんな話だったか。
 

――第二特別活動室には全身が映る大きな鏡があって…
 

聞いたばかりの怪談話が頭の中でリフレインする。思わず手の中にある鍵をきつく握り締めた。
ほんの少し考え込んだ私は今まで来た道を戻り、職員室とは全く逆の方向へと向かうことにした。
 
 
 
 








階段を駆け上がって角を曲がると、今や見慣れた鮮やかな金色が目に映る。場所は、第二特別活動室前。
息を切らせて近付いた私に気が付いた彼が振り向く。
翠の瞳が真っ直ぐ此方を見据えた時、彼の口角が緩やかに上げられた。笑った、のだ。
その表情は酷く満足そうで。例えるならば、まるで悪戯に成功した子供みたいな笑い方だ。
いつの間に出したのか、型の古いビデオカメラを手に、ショウくんは眩いばかりの笑みで一言。



「じゃあ、入ろうか」
 
 

嵌められた、と思った。














 
 
 
 
 
 
 

(行きたくないって思ってたのに!)
(でも別に強制した訳じゃないだろう?)
(…鍵拾わなきゃ良かった)




10.1.14

拍手

PR

comment

ショウ君が・・

  • みのり 
  • 2010/01/27(水) 21:21
  • edit

ここのサイト様は、ショウ君を書くのが上手ですね。
次は、ショウとアコがラブラブなお話を読みたいです。
宜しくですvv

初めまして、みのりさん

  • 卯月 
  • 2010/01/28(木) 22:49
  • edit

ショウ君のキャラは相変わらず、卯月的に掴めていないのですが、優しい言葉を掛けて下さり有難う御座います!
もう、ショウ君の立ち回りはこんなのでいいですかね…
ラブラブ、に出来るかは、その、頑張り、ます…!矛盾しないくらいには!

お名前
タイトル
E-MAIL
URL
コメント
パスワード

trackback

この記事にトラックバックする:

TemplateDesign by KARMA7

忍者ブログ [PR]