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absolute zero

DRRR!!、タイバニに首っ丈な小説ブログ

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最近文章が迷走気味

千文字打つと何をしたかったのかわからなくなる、卯月です。

当初の予定はうっかり本気になった臨也と臨也が信じられない帝人の話だった気がするのに…
なんか只単に臨也が可哀相な話になったような。
一応臨也視点も書いてるんだが、どうなるのか未定。もっと可哀相になりそうだよ!















「愛してる」


繰り返される愛の言葉に僕は「そうですか」とただ一言だけ返した。
同じことばかり口にして飽きないのかな、なんて考えながら手元の携帯に視線を戻す。
この人は五文字で構成されている愛の言葉を何か別の言葉と
間違えているんじゃないだろうか(こんにちは、みたいな)
携帯のメールボックスを確認すれば、セルティさんからメールが届いていた。
『ビデオを借りたんだが一緒に見てくれないか』という簡素だが解りやすい文に
思わず笑ってしまう(SFかホラーかなぁ)(ホラーは僕も苦手だけど)
僕は直ぐに返信画面を呼び出して、本文に承諾の返事を打ち込んだ。一緒に、
一体何のビデオなのかを教えて下さい、と添えて返信ボタンを押そうとした瞬間、
突如後ろから伸ばされた手に携帯を奪われてしまう。
何するんですか、と不満を顕にして振り返れば、彼は同じ様に不服そうな顔で此方を見詰めていた。
彼は躊躇うこと無く僕の携帯の電源を落とすと、部屋の隅に畳んであった布団の上に
其れを放り投げられてしまった(あぁ、あれじゃメール画面は保存されないな)(折角打ったのに、酷い)


「愛してる、帝人君」


彼はまた同じ事を言いながら僕を腕の中に半ば強引に抱き寄せる。
僕は抵抗らしい抵抗をしなかった為、あっさりと抱き締められた。

僕は知っている。
彼がこうやって抱き締めて愛を囁く相手は僕一人では無い事を。毎日うんざりする程送られるメールや
電話は僕だけにしているのでは無い事を。態々会いに来るのは稀のような気がするが、
僕が他の人と違ってあまりにも素っ気ないからだろう。


どれが本気で、どれが嘘なのか。
彼は嘘を平気で言うからどれも嘘かもしれない。
もしかしたら、全人類を愛してると豪語するのだから誰が相手でも本気なのかもしれない。


どちらにせよ、彼が愛を囁くのは僕が人間だから。だから、僕が人外になったら
見向きもされなくなるんだろうな、と漠然と考えた(人以外にだって知能はあるのに)
君を愛してる、とか竜ヶ峰帝人という一個人が好きだ、とか。彼が人を繋ぎ止めるためには
平気で言うであろう嘘、
そんなご機嫌取りみたいな事をしなくたっていいのに。そう思った僕は彼の背中に手を回して、
ぎゅっと抱き締め返した。


「愛してるんだ、帝人君」


彼が僕という形をした人間に好意を抱いているのと同じく、僕も彼に好意を抱いている。
爽やかな外見からは想像も付かない歪んだ性格、情報屋という変わった職業、
僕や僕の親友を陥れたその手腕。静雄さんに喧嘩売って生きていられるのも、何もかもが非常識!
僕を騙していたとか、正臣に酷い事をした事には怒りを覚えたけれども、それ以上に彼には魅力がある。
彼と一緒で、僕も非日常全般が大好きだった。だから、非日常の塊みたいな彼を僕は『愛して』いた。


「僕も、愛していますよ」


彼の腕の中から顔を上げて、さっきから彼が繰り返していたものと同じ言葉を告げる。

利害の一致した両思い。

その筈なのに、僕を抱き締めていた彼の表情が悲しそうに歪められ、
今まで以上にきつく抱き締められた(…訳が解らない)




「……あい、してるんだよ、みかどくん」




ぼくも、って言っているのにどうして泣きそうなんですか臨也さん。
そう訊ねたかったけど、強く抱き締められて苦しかったから何も言うことが出来なかった。














()






(その内、貴方は僕にも飽きるんでしょうけど)
(それまでは僕も臨也さんを『愛して』ますから!)





10.4.9

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