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absolute zero

DRRR!!、タイバニに首っ丈な小説ブログ

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最近漫画とか買い過ぎなんだと思う…

タイトルの通りな卯月です。
只でさえうみねことかの続きも買えてないのに増やしてどうするんだっていう…
だって買いたかったんだもん!と言い訳をしておこう。


それはさておき。
前々回の小説であまりにも臨也が可哀相になったので救済措置を図りました。
ので、なんか…自分でも扱いに困る物が出来たというか…
おかしいな…次はシズミカとか考えてた、の、に…?














何年振りだったか忘れたが、本格的に風邪を引いた。

人と比べると大分丈夫な身体をしていた所為か、小学校卒業辺りから風邪なんて
縁が無かったというのに(まぁ、シズちゃんみたいに規格外な訳じゃ無いんだけど)
今年の病原菌は何だか酷く強力らしい(もっと強力になってシズちゃんも掛かれば良いのに)

取り敢えず喉が痛い。頭も痛い。だるくて起き上がれない。熱があるからか寒気がする。

起き上がるのも億劫で、何もしたくない。必要最低限の事すらもしたくなくて只ひたすら眠る事にした。
波江は俺が風邪を引いたと知るや否や「じゃあ今日は休むわね」なんて言いやがった。
普通、秘書っていうのはこういうときは看病を申し出るものではないのか(重度のブラコンのくせに)
(…重度のブラコンだからか?)

看病といえば。
子供の頃に酷い熱を出した時の記憶なんて朧気なものだったが、俺の親なのにどこまでもまっとうな
俺の母が付きっきりで看病をしてくれていたのは憶えている。
その当時は病人は眠っているだけなのだから、一体何の意味があるんだろうとか
思ったりしたものだ(かっわいくないなぁ、昔の俺)(絶対、産まれる家間違ってると自分でも思う)

あの時は必ず傍らに人の気配があったが、今は無い。
一人で居るには広い部屋は何時も以上に広いように錯覚させられる。
聞こえるのも秒針の音と自分の荒い呼気だけ。
この部屋で唯一、人と繋がっているのはサイドテーブルにぽつんと置かれている携帯だけだ。
俺は無意識にそれを手繰り寄せていた(そんなつもりは無かったのに)

ごほり、と咳を一つ吐き出して自嘲気味に笑う。もしかしたらだが、俺は、


(寂しい、のかも)


今になって、付きっきり看病の意味が解るなんて。というか、寧ろ23になるまで気が付かなかったなんて。
誰でもいいから傍に、なんて事は思わないが、自覚してしまうと誰も居ないのは思いの外堪える。
自分でも驚く程弱った思考で思い浮かべたのは一人。今日も会う予定だったあの子だけ。


(――みかどくん)
(あいたい、なぁ)



電話やメールをするだけの気力もなく、只携帯を握り締めたまま、俺は意識を手離した。














「――ゃさん、いざやさん…」

何処かで誰かが俺を呼んでいる。
中途半端に浮上した意識の片隅で響く声に思わず眉を寄せた。誰だ、と思う反面、
酷く心地好い声に聞こえた気がする。
重い瞼を持ち上げれば、ぼんやりとした視界に見覚えのありすぎる顔が映った。
まさに、意識を手離す前に思い描いていた人物がいた訳で(…あれ、)(なんでここに)
俺が起きたからか、心配そうな顔をしていた彼が小さく「よかったぁ」と呟いた。安心したのか、
ほにゃりと顔を緩めて笑っている。

「臨也さん、呼んでも起きなかったから…ちょっと不安になりました」
「みかど、くん…なんで、」

普段より大分思考機能が衰えているらしい俺は、未だに呆然と帝人君を見詰めた状態で
はっきりとはしないが疑問の語を呟くと、帝人君はちゃらりと右手にある物を鳴らす(…あれは、)
右手に握られていたのは俺が彼にあげた合鍵だった。

「待ち合わせ時間にも来ないし連絡も無かったので…合鍵を使わせていただきました」

勝手に入るのは悪いかと思ったんですが、と帝人君はバツが悪そうに頭を掻きながら言う。
まさか合鍵使ってくれる日が来るなんて。少し感動し、今すぐに彼を抱き締めたかったが、
今の俺にそんな体力は無かった(…畜生!)
そんな俺の心中なんか知らない帝人君はいつの間に用意したのか、ミネラルウォーターやら
薬やら体温計やらを手にしながら難しい顔をしていた。

「うーん…まずお粥かな…」

じゃないと薬飲めないし、とぶつぶつと呟いた彼は、温くなったらしい水の入った桶を抱えて
立ち上がろうとした。きっと発言通りに粥を作りに行く気なのだろう。
確かに看病としては間違っていないし、今日になってから何も摂取していない俺を思っての
行動なのだろうが、少し待って欲しかった。
だるくて思うように上がらない腕を伸ばして帝人君の服の裾を掴む。それに気付いて再び屈んだ彼が
きょとんとした顔で此方を見た。

「…臨也さん?」
「みかどくん」
「はい、なんですか?」
「……ここに、いて」

喉が痛くて其れだけしか言えなかったが、その途端に驚いた顔で帝人君が固まった。
言葉の選択を間違えたかも、と元々熱で高かった体温が更に上昇した気がする。
妙に気恥ずかしくなって視線を逸らそうとした瞬間、破顔した帝人君が俺の頭に手を乗せて
撫で始めた(…どうしてそうなった)

「風邪を引いた臨也さんは何だか子供みたいですね」

そんな事を言いながら笑った、それこそ子供みたいな顔付きをした彼に何か言い返そうとしたが、
頭を撫でる彼の手があまりにも優しくて。口を噤んで、されるがままにする事にした(帝人君、嬉しそうだし…)



取り敢えず、こんな事は滅多にないから満喫しようなんて思ったのは内緒だ。


















(みかどくん、のどがかわいた…)
(はい、どうぞ)
(みかどくん、手つないで)
(いいですよ)
(……みかどくんが何でも言うこと聞いてくれる…!)





10.4.29

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