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absolute zero

DRRR!!、タイバニに首っ丈な小説ブログ

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ようやく更新…?

あれ…考えていたものと展開が違う…?
しかもまた時間枠の分からない話です。早くくっつけろよ、とか言われましたけどね!









 「――カイトー?ちょっと…」


パソコン入力に飽きた俺が徐に口を開くと「ふぁい?」と何だか間抜けな返事が
返ってきた。
ずっと同じ部屋に居たのは知っていたが、何をやっているのかと思って後ろを見
ると、こちらを見るカイトの口から木べらが伸びている。右手には昨日、俺が買
ってきたと思しきアイスのカップが握られていた。ガリガリするのが好きな俺が
久しぶりに買った、某スーパーなんちゃらっていうアレだ。…伏せる意味はない
けど。
確かにカイト用にと思い買ったとはいえ、勝手に食べられてしまうのは何だか納
得がいかない。段々と不機嫌になってゆく俺の心中を察したのか、まだ木べらを
銜えたままのカイトが俺よりも先に口を開いた。


「何か、御用ですかマスター?」


まるで何事も無かったかのように微笑まれ、俺もにっこりと微笑み返してやる。
それを見て明らかに胸を撫で下ろしたカイトにそのまま近づいて――


一発、ぐーで殴ってやった。
思っていたより力が入っていたのか、物凄くいい音がした。これはダメージも相
当のものだろうと予測できる。
案の定、声にならない悲鳴を上げたカイトは殴られた頭を両手で押えてその場に
蹲ってしまった。


「ぐぁぁ…っ、笑顔で油断させての不意打ち卑怯…!マスター卑怯…っ!」
「やかましいわ!勝手に笑顔なんかで油断したオマエが悪い!」
「…あの笑顔を向けられて油断しない人っているのか…?」
「ん、何か言ったか?」
「いいえ?」


痛かったのは本当らしいが、さすがに体が機械なだけあって復活は早い。逆に、
妙な所を叩くと危なかったかもしれない。主に配線とかメモリとかその他もろも
ろがだが。
患部を手で擦りながら立ち上がったカイトは騒ぎの間に溶けてしまったアイスに
名残惜しそうな視線を向けてからこちらを見た。それ程食べたかったのか、アイ
ス。


「で、結局…マスターは何を言うつもりだったんです?」
「んー?休憩しようと思って、お前にコーヒー入れてって言うつもりだった」
「だったらコーヒー、今から入れます」


俺の言葉を聞いて、慌てて立ち上がろうとしたカイトを手で制すると、怪訝そう
な顔を浮かべられた。


「どうせ立ち上がっちゃったし、ちょっと出掛けてくるよ」


そう言った途端、カイトの機嫌が目に見えて悪くなった。
普段からだが、カイトは俺が必要以上に外へ出ようとする事を嫌がる。別にカイ
トを連れていく訳ではないのだから、そろそろ納得してくれてもいいと思うのだ
が…
眉間に皺を寄せたままの表情でこちらを見ていたカイトは反論すべく口を開く。


「休憩なら家でもできます」
「お前が勝手にアイス食っちゃったからなぁ…お前の分も一緒に買い直そうと思
ったんだが。しかもダッツを」
「!!」


アイス、という単語を出すと今度は激しく狼狽しだす。
アイスか俺か、どちらを取るかを待っていると、突然がくりと脱力したように下
を向いた。そんなカイトに近づいた俺は笑顔で一言掛けてやる。


「はい、リクエストは?」
「………リッチミルク」
「じゃあ行ってきまーす」


玄関に向かって歩きだした俺の背後から、ダッツは卑怯だの何だの聞こえたよう
な気がしたのと、カイトの中で俺がアイスに負けた事とはあまり気にしない事に
した。




08.6.7

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