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absolute zero

DRRR!!、タイバニに首っ丈な小説ブログ

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3月21日を忘れてたとか、そんなことはないんだから…!

3月21日、帝人様誕生日おめでとう、卯月です。
気が付けば過ぎていた、そんな感じ。祝う準備はしてたのに打ってたら鬱展開になってボツにしたとかいえない
良く考えたら去年の臨也の誕生日も祝ってません。5月4日?それって小野Dの誕生日と違うの?

という事でデュラです。勿論誕生日話なんかじゃありません(爆)
臨也が不憫とか注意書くべきか迷ったが、今に始まったことじゃ無かった。











「臨也さんって静雄さんの事が好きなんですか?」

体のあちこちに出来た傷の治療を行っていた帝人君が、何の脈絡も無くそんな事を言い出した。
怪我をしてると言っても、今回はこれでも少ない方だった。酷い時は肋が二、三本
折れてたりするし(こういう時、俺も大概規格外だと認識させられる)
それは兎も角。
あまりにも突然、思いもよらなかった疑問を投げ掛けられた俺は痛む頭を押さえて帝人君の言葉を復唱する。
好きなんですか。誰が誰を。俺がシズちゃんを?

「…帝人君、ごめん、その冗談笑えない
「え、違うんですか?」
「っていうか、どうしてそうなった」

おかしいなぁ、とか呟きながら首を傾げる帝人君は撫で回したくなるくらいに可愛いのだが、
おかしいなとはどういう事だ。現在進行形で奴から受けた怪我の処置をしているというのに、
この状態でシズちゃんが好きとか抜かしたら俺はドMのレッテルを貼られてしまう(俺は加虐趣味は
あるかもしれないけど被虐趣味は断じて無い)
というか俺は普段から人間愛を叫んでいるが、あんな不確定要素にしかならない化け物を
何故好かなければならないのか。あっちから告白してきたとしても勘弁である。
大体、どういう思考回路を通ってそんなトンチキな結論に辿り着いたのだろうか。
帝人君は柔軟な思考と元来の聡明さから理解力は高いが、たまに斜め上にかっとんだ考え方を
する事がある。よって、唖然とさせられることも少くない(この俺が!)

「だって、臨也さんって静雄さんが嫌いだと言う割には毎回律儀に相手したり、
  態々ちょっかい出したりしてますよね」
「いやいやいや、下手な逃げ方すると逆に危ないから迎え撃つだけだし、
  あわよくば葬り去ろうと思ってるだけだし!」
「『全人類を愛してるけどシズちゃんは例外』って台詞は寧ろ静雄さんだけ特別扱いしてるみたいに
  聞こえてしまって」
な…なにその、かっとびすぎた理論!
「もうこの扱いが臨也さんなりの愛情表現なのかなと」

最近お二人を見る度にそう思ってしまって。溜め息と共に呟かれた言葉に俺は動揺を隠しきれなかった。
よりにもよって帝人君にそんな風に思われていたなんて。しかも、何だか帝人君、
普段よりもイキイキとしている、気が。
すっかり手慣れた動作で俺の腕へと包帯を巻き終えた帝人君は蒼く澄んだその瞳に確かな好奇心を
宿して、俺に詰め寄った(この表情は好きだけど、手放しに喜べない!)

「で、結局シズイザなんですか、イザシズなんですか!?」
「ねぇ止めてその呪文みたいなやつ!一撃死の呪いの言葉みたいだから!
「やっぱりボコり愛なんですか!嫌いな筈だけど気になるタイプですか!」
「ねぇ聞いてる帝人君っ!?」

珍しく興奮を露に矢継ぎ早に質問を繰り返す帝人君に軽く恐怖を覚えながら、
俺は漠然とした不安を抱いていた。まるで、帝人君ではなく、それこそドタチンと何時も一緒にいる中の、
帽子の女と話しているような錯覚。というか会話内容がまんま同じではなかろうか。
くらり、と目眩を感じて再び頭を押さえる。目の前の現実を信じたくなくて、振り払うように頭を振ったが、
何も変わらなかった。

「………帝人君は、そういうのが好きなの?」
「そういうのって…ビーエ
皆まで言わないで!
「あぁ、まぁそうですね」

さらりと顔色も変えずに告げた彼を見て何だか泣きたくなってきたが、そんな暇は無い。
考えろ、折原臨也。このままでは勝手にシズちゃんと恋人同士にさせられてしまう。
どうすればその誤解が解けた上で有利に事が運べるのか。
こんなに切羽詰まって考えを巡らせたのは、うっかりシズちゃんの攻撃を
マトモに喰らった時以来な気がする。今といい昔といい、つくづく俺の邪魔しかしないのだから
嫌になる(本人の預かり知らぬ所でな!)
「狩沢さんはイザマサやドタイザも好きだとか言ってるんですけど、」等と彼は更に俺の目眩を
悪化させる様な台詞を続けざまに放った。どうしよう、邪魔者が増えた(ドタチンは兎も角、紀田正臣、
君も何処まで邪魔を)(というか、あの子は彼女持ちじゃん)(つーか前後の違いはあれど何で必ず俺が
いるんだ)

「……帝人君は俺が同性愛者であることを願ってるの…?」
「いいえ、別にノンケでも構いませんよ。ただ、それで性別関係無く男の人を好きになってたら萌えますよね」
「否、それ意味は変わらないじゃんやっぱり!」
「大違いですよ!『他の誰でもない、お前だから…』的なシチュが一番ドキッとするんですよ!」

それは登場人物がドキッとするのか、それとも帝人君がドキッとするのか。
力説されたって知らんがな、とか咄嗟にツッコミを入れそうになったが、心に留めるだけにしておいた。
突っ込んだと同時に更に熱弁を奮うという報復が返ってくるのが目に見えていたし、
それよりも大事な事を帝人君が言った為、突っ込んでいる場合などなかった。

「帝人君、聞いて貰いたい事があるんだ!」
「何ですか、臨也さんと静雄さんはどっちが受けなのか決まったんですか?」
「だからその組み合わせは俺は絶対認めないし、俺の一存で決めるものでも…あぁもう、そうじゃなくて!」

かっとび理論で話を進めようとする帝人君に痺れを切らした俺は彼の肩を勢いのままに掴んだ。
勢いのままに掴んだ為、俺自身の腕も多少痛んだが帝人君はもっともっと痛かったのでは
ないだろうか(でもそれだけ真剣なんだよ!)(…必死とも言う)

「臨也、さん…?」
「俺はね、アブノーマルな趣味は無いしシズちゃんの事は虫酸が走るくらい嫌いだ」
「……建前で」
「違くて!…君の事が好きなんだ!」

余計な事を言おうとした帝人君を遮って声を張り上げる。勢いそのままで言い切ったが、
肝心の帝人君は唖然とした表情で固まっていた。フリーズしないで返事を、反応をしてほしい。
この沈黙に俺の心は長く耐えられそうに無かった(俺だって人並みには緊張もするし、)
(つーか、すげぇ心臓ばくばくしてんだけど)(ナニコレ痛い)
漸く思考回路が再起動したらしい帝人君は、向けられる視線に耐えられなかったのか、
じっと見詰めていた俺から顔を背ける。その頬はほんのりと紅を差したように染まっていた(ナニソレ可愛い)
恥ずかしそうに上目遣いで此方を伺う帝人君の様子に思わず押し倒してしまいたい葛藤に駆られながら、
うっすらと開かれた唇から発せられるであろう言葉を待つ。
だが。


「…僕、臨也さんの事、嫌いじゃないです」
「………うん?」
「気持ちは嬉しいんです。けれど自分の絡んだ組み合わせじゃ流石に萌えられないので…お断りします
人の一世一代の告白をそんな理由で!?


あまりにも予想外の切り返しに俺は思わずさめざめと泣いた。否、全く予想外というわけではなく
少しは想像出来ていた。口に出された時の精神ダメージが計り知れなかった為、
考えないようにしていたのである。

「臨也さんはカッコいい人ですから、僕なんかよりもっとお似合いの人がいますよ!」

静雄さんとか、静雄さんとか、静雄さんとか。あっさり断られて傷心の俺へ追い討ちを掛ける様に
嬉々として言葉を続けた帝人君。その暴力にも等しい言葉は全て俺の心に刺さった(言葉って
物理攻撃より痛い)

「…何で、シズちゃんしか選択肢無いの…」
「僕は二人がお似合いだと思うからです」

突っ込む気力も否定する気力も無くなった俺は、力無くその場に項垂れるしか出来なかった
(…だからその組み合わせは、もういいか…)
















(愛するあの子は末期な腐男子でしたってことッスね)
(みかプーの興味引くために、いっそシズシズと付き合っちゃったら?)
(もうやめて、俺のライフはもうゼロよ!)




11.3.30


 

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