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absolute zero

DRRR!!、タイバニに首っ丈な小説ブログ

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もう言い訳なんてしない

久しぶりに日記をつけた気もします、卯月です。
アットゲームズには毎日入り浸ってるのに何故か日記は書かないという私ですが…
正直、書くネタが無いんです。毎日バイトしかしてないからね!
ある意味ネタの宝庫かもしれませんが、書くと凹むので止めときます。
お、怒られてばっかなんかじゃ、ないんだからねっ!\(^o^)/


それはともかく。
最近携帯の保存ボックスが臨帝で埋め尽くされてますが、どの話も完成する気がしないよ!
取り合えず一つサルベージしてみましたが、タイトルからして酷いのが分かりますね。
内容はもっと酷いので…今回の内容に一言言うなら、ラブプラスは楽しいという事だけです。




 










何時もの仕事用回転椅子に膝を立てて座った状態の臨也さんが何やら手元の電子機器を操作している。
見覚えのあるあの機械は今や一家に一台とも言われている上下二画面の携帯ゲーム機だった。
パソコンが彼の仕事にとって必要不可欠なのは知っているが、
ゲーム機なんかを触っている臨也さんは初めて見た。まぁ、最近のゲーム機は
どれもネットに繋がるという噂だし、ワイなんとかっていう通信システムからも何かしら噂話の収集が
出来るのかもしれないし。
ただ、真剣な顔をしてタッチペンを握る臨也さんが少し、否、かなり珍しかった。何となくだが、
あの人はゲームとかとは無縁そうなイメージがあったからだ(だって、ものスッゴい違和感)
しかし、臨也さんに趣味が増えることは人間にとっては得になるので(人類の平和的に!)
とやかく言わないようにしよう。そう考えて、臨也さんがちょっかいを出してこない静かなティータイムを
満喫しようと勝手に煎れた緑茶を啜って、

『いざやさん…』
「しまっ、イヤホン抜けた…」

思いっきり噴き出した。

気管に緑茶が入ったのか、異物を取り除こうと喉が蠢いて咳を誘発させる。
突然激しく噎せた僕に驚いた臨也さんが慌てて駆け寄ってきて、僕の背中を擦ってくれた。
どうして彼は、妙な所で気遣いが出来る人なのだろう(…助かったけど)

「帝人君、大丈夫?」
「だ、だいじょぶです…じゃなくて!」

落ち着きかけた所を見計らって優しく掛けられた言葉に普通に返してしまったが、
元はと言えば臨也さんが持っていた物が原因な訳で。

「…臨也さん、さっきのは一体何なんですか?」
「……ただの恋愛、シミュレーションゲーム?」
「ただの恋愛ゲームから僕の声がして堪りますかっ!」

あくまでもシラを切るつもりらしい臨也さんがさっきまで座っていた椅子に近付くと、
激しく狼狽した臨也さんが、無駄に長い足で僕の先回りをされてしまった(高身長の人、爆発しろ!)
しかし、放置だったゲームの画面はばっちり見えてしまった。

「まさかの僕取り込み画像っ!?」

画面に映し出されていたのはまごうことなく、僕だった。

「どういうことですか何で僕がゲームに映ってるんですかそんなもん何処で手に入れたんですか
恋愛ゲームってどういうことですか!」
「一度に聞かれても…」
「答えて下さい!」

あまりの事態に尽きること無く湧いてきた疑問を一息に連ねると、
その気迫に圧されたのか臨也さんが僅かに顔を引きつらせながら「帝人君、落ち着きなよ」と
僕を宥めに掛かった(この異常事態に落ち着いてられる気がしない!)

「一つ目から答えると、勿論帝人君をモデルにしたゲームなんだよ、これ」
「取り込み画像はモデルって言わないんじゃないですか!?」
「いやいや、良くできてるけどCGなんだよ」
「え、そうなんですか?」

臨也さんがホラ、とゲームを見せてくれた(見たく無いけど!)
言われてみれば、ちゃんと僕をゲーム風にアレンジしたキャラクターが映っているような。
どちらにしろ僕に違いないのだが!(うわぁ、しかも動く!)
こんな普通に売れそうなクオリティのゲームの元に僕なんかを選んだんだとか技術力の無駄遣いとか、
言いたい事は山程あったが、総じて気になるのは『誰がこれを制作したのか』である。
その疑問も、一つ目同様、割とあっさりと臨也さんが答えてくれた。

「二つ目、これは貰い物だよ」
「誰から!」
「ドタチンと何時も一緒にいる帽子の女がさ、自作とかなんとかで」

門田さんといる帽子の女と言われて僕の頭の中に一人該当する人物が思い浮かぶ。
黒の衣服に帽子と臨也さんに負けず劣らず黒ずくめな格好をした女性――狩沢さんだ。
僕と臨也さんが付き合ってると知っている数少ない人物だった(根掘り葉掘り聞かれたし…)
アニメ、漫画、まぁそういった物に熱意を注ぐ彼女はどうやら三次元さえも
二次元化してしまえるらしい(…器用にも程がないか、狩沢さん)

「で、コレは帝人君と恋人になるゲームなの」

あっけらかんと告げた臨也さんが携帯ゲーム機を片手に持ち直した。僕の頭は既にショート気味だが、
臨也さんは追い討ちを掛けるようにタッチペンでゲーム画面をつついて
操作を始めた(止めて、本当に止めて!)

「最近の技術って凄いよねー、切り貼りした音声でこんな流暢に喋るなんて」
「しょ、肖像権の侵害…!」
「しかも見てよこれ、俺の好みに合わせて服とか性格とか変えてくれるんだよ?」
「ちょっと、なんて羞恥プレイですか!」
『臨也さん、人に見られるの、嫌です…』
「何言ってんだ自分!!」
「今の帝人君は恥ずかしがり屋だからね、人目が気になる設定なんだよ」
「もうやだ、ホントにやだ!」

何故それほどまでに多機能なんですか、と泣きそうになりながら臨也さんに聞けば
「制作者に聞いてよ」と返された。そりゃ、作ったのは臨也さんではないのだから尤もな返事である。
しかし、制作者云々よりも大事な問題があった。

「ちょっと待って下さい、コレ、出回ってませんよね…?」

はたと気付いたが、これ程のクオリティを持つゲーム、普通は売る為に作るのではないだろうか。
というか売らないとプラスマイナスでは完璧にマイナスになってしまう。
狩沢さんに限ってそんな人を勝手に売るような事はしないとは思うが、とすがる様な気持ちで訊ねたが、
正直信じきれなかった。

「一応これ一枚だけみたいだけど?」
「そ、そうですか!」

半ば諦め掛けていた答えを返され、僕は安堵の息を溢した。
つまりは、臨也さんが現在所持しているカセットを奪って破壊、
後に狩沢さんから元のデータを渡してもらえば世の中から完全に消滅させる事が出来るということだ。
しかし、決意を新たにした僕に対して水を差すかのように臨也さんが口を開く。

「でも、もしかしたら時間の問題かも」
「な、何でですか!?」
「だって、どっから聞き付けたか知らないけど黒沼青葉がカセットくれって制作者に土下座してるの見たよ」
「あの子、何で妙なところでプライド無いの!?」

自分の知らない後輩の一面を教えられ、いたたまれず顔を覆った。知らない、というより
知りたくなかったというべきか。
事ある毎に罰を望む癖がある以外は、強かで計算高く、頼もしい子なのに。
というか、あの子は僕と恋人になるゲームに何を求めているのだろう。
しかし、仮に青葉君がカセットを手に入れたとしても、
多少手荒になるかもしれないが『お願い』すれば何とかなるだろうし、僕はさっきまでとは違い、
狩沢さんが流出なんてさせないと信じている(きっと!いや、たぶ、ん…)
だとすれば、目下の問題はやはり臨也さんの所持する一枚のみだ。
僕は臨也さんに向き直ると彼を真っ向から睨む。

「大体、臨也さんがこんなものしてるのが不愉快です!」
「何で?」
「な、何でって…!」

心底不思議そうな表情で首を傾げた臨也さんに対して、逆にどうして理解出来ないのだろう、と
此方が不思議になった。同時に腸が煮え繰り返る位の怒りが自らの内側で渦巻き始める。


だって僕は、
僕はこの人の、恋人で。


「臨也さんには本物がいるでしょう!」


頭に血が上ったままの勢いに任せて、そう言い切ってしまった。
ただ単に心の内を吐露しただけなのだが、口に出してみると思いの外恥ずかしくなってしまい、
僕は怒りと羞恥で赤いままの顔を伏せるように俯く(うわぁぁ…っ)
臨也さんはといえば、珍しく呆気に取られた顔で此方を見ていたが、
それも直ぐに何か思い付いたのか心の底から楽しむ様な笑みを浮かべて僕に詰め寄った。

「――ふぅん、それはお許しと取ってもいいのかな?」
「へ…っ」

告げられた言葉の意味を瞬時に理解出来ず、今度は逆に僕が呆気に取られる番だった。
その間にも臨也さんと僕の距離は縮められる一方なわけで(近い、近いって!)
それってどういう、と絞り出すような声で訊ねれば、返事の代わりに
にっこりと笑った臨也さんの長い指が僕の頬をするりと撫でた(っ、な、なに…?)

「こうやって触れたり、それ以上も本人にしろってことでしょ?」
「それ以上って…!そんなゲーム壊してくださ、」
「はい、ちょっと黙って」

それ以上って何なの、とか思いながら、やはりカセットは壊すべきだと認識して
ゲーム機に手を伸ばした。しかし、腕はあっさりと臨也さんによって阻まれ、
その上、更に反論しようと口を開くと同時に眼前に臨也さんの整った顔が迫っていて。

抵抗する間も無く、不覚にも開いたままの口を臨也さんのそれで塞がれた。
それを理解したのは、その数秒後だった。

「ん、んぅ…は、あぅ…っ!」
「ん…っ、帝人君、可愛い…」

反射的に口を閉じようとしたのだが、その前に咥内をなぞられ、舌を絡め取られて軽く吸われる。
くちゅ、と聞こえた水音に思わず耳を塞ぎたくなった。
呼吸さえも儘ならない口付けの所為か、頭が上手く働かなくなってきた所で
臨也さんが少しだけ顔を離した(…っ!)
涙でぼんやりとした視界に映った臨也さんは、
その仄かに赤い瞳に欲情の色を湛えて此方を見据えていた。
その常よりも深く輝く赤と笑みを浮かべながらも余裕の無い表情にぞくり、と体が震える。

「鼻で息をするんだよ、帝人君」

耳元でそう囁いた臨也さんが再び僕の唇に食らい付いた。

「ちょ…っん、いざ、…や、さんっ!」

さっきみたいに深く口付けられる前に自由な方の手で臨也さんの体を押した。
既に力が入らず、押し返すことは出来なかったが、驚く事にそのまま素直に僕を解放してくれた。
しかし、膝から力が抜けて倒れ掛けた僕を臨也さんが抱き止める。状況はあまり変わっていなかった。

「やっぱり本物の方が断然可愛いね、見た目も、反応も」
「っ…、どうしてそう恥ずかしい事が言えるんですか…」

だって事実だもん、と宣った臨也さんが机に放置しっぱなしだったゲーム機に手を伸ばす。
そのまま何の躊躇いも無しに電源を落として画面を閉じた(そのままゲームを破壊してくれたら
もっといいんだけど!)

「こんなゲームしなくても良いように俺を満足させてくれるよね?」
「…臨也さんは本当に性格悪いですね!」

蕩けた笑みを浮かべた臨也さんの要求に顔を真っ赤にした僕は、悪態を吐きながら渋々、
彼の頬に唇を寄せたのだった。

















(で、勿論そのカセットは壊してくれますよね?)
(……だが断る!)
(壊 し て く れ ま す よ ね ?)
(み、帝人君、ボールペンで動脈狙わないで!)




10.8.24

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